築二十五年の三階建て一軒家を購入し、一階部分を店舗用に改築。<br />美容師の美保理にとって、これから夫の譲と暮らすこの家は、夢としあわせの象徴だった。<br />朝、店先を通りかかった女性に「ここが『不幸の家』って呼ばれているのを知っていて買われたの?」と言われるまでは――。<br />わたしが不幸かどうかを決めるのは、家でも他人でもない。<br />『不幸の家』で自らのしあわせについて考えることになった五つの家族をふっくらと描く、傑作連作小説。<br />