天使のいる廃墟
住人たちが逃げ出し、二度と戻ってこなかったため廃墟になった村、パライソ・アルト。
そこを訪れるのは、人生を諦め、命を絶とうと決めた人に限られる。
逆立ちで現れた、うなじにコウモリのタトゥーがある少女。
車に積んだ札束を燃やしたいと言う大物銀行家のような男。
口を利かず、横笛の音色で受け答えする男。
廃墟に住む「天使」は、彼らになぜパライソ・アルトにやってきたのか尋ね、生い立ちに耳を傾け、「向こう」への旅立ちを見送る。
生と死、日常と非日常の狭間にたゆたう不思議な場所と、幻のような来訪者たち。
詩人としても高く評価されているスペインの作家が贈る、美しく奇妙で、どこかあたたかな物語。
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