暗闇にレンズ
「わたしたちが今、持つことが許されている数少ない武器の中で、一番強力なものはレンズだ」高校生の「わたし」は親友の「彼女」と監視カメラだらけの街を歩き、携帯端末の小さなレンズをかざして世界を切り取る。
かつて「わたし」の母や、祖母や、曾祖母たちがしてきたのと同じように。
その昔から、レンズがうつした世界の一部は、あるときには教育や娯楽のために、またあるときには兵器として戦争や弾圧のために用いられてきた――映画と映像にまつわる壮大な偽史と、時代に翻弄されつつもレンズをのぞき続けた’一族’の物語。
「首里の馬」で第163回芥川賞を受賞した高山羽根子・渾身の書下ろし長編。
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