九度目の十八歳を迎えた君と
通勤途中の駅で見かけた二和美咲は、あのころの、僕が恋をした18歳の姿のまま佇んでいた。
それはまぼろしでも他人の空似でもなく、僕が高校を卒業したあとも、彼女は当時の姿のままでずっと高校に通い続けているという。
周囲の人々は不思議に感じないようだが、僕だけはいつまでたっても違和感がなくならない。
なぜ彼女は高校生の18歳のままの姿なのか。
その原因は最初の高校3年生のころにあるはずだと、当時の級友や恩師のもとを訪ね、彼女の身に何が起こっているのか調べ始める。
気鋭の作家が描く、心締めつけられる青春と追想のミステリ。
/解説=若林踏
更新中です。しばらくお待ちください。