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蝶として死す 平家物語推理抄

寿永二年(一一八三年)。
源氏の木曾義仲軍から逃れるため、平家一門は都を捨て西国に落ち延びた。
しかし、異母兄・清盛に疎まれ、折り合いが悪かった平頼盛は一門と決別。
義仲の監視を受けながらも、妻子やわずかな家人と共に都に留まっていた。
そんな頼盛に、彼が一門きっての知恵者であると聞きつけた義仲は、意外な頼み事を申し入れてきた――「三月前の戦で落命した恩人・斎藤別当実盛の屍を、首がない五つの屍から特定してほしい」。
恩人を弔えぬのは武将の恥、断れば頼盛を討ち、己も自害すると義仲に押し切られ、頼盛は難題に挑むことにするが……。
『平家物語』や謡曲『実盛』にも取り上げられている実盛の最期を題材にした、第十五回ミステリーズ!新人賞受賞作「屍実盛(かばねさねもり)」ほか、全五編収録。
清盛が都に放った童子は、なぜ惨殺されたのか? 高倉天皇の庇護下にあったはずの寵姫は、どのようにして毒を盛られたのか? 平家の全盛期から源平の争乱へとなだれ込んでゆく時代に、推理力を武器に生き抜いた頼盛の生涯を描く、歴史ミステリ連作集。
/【収録作】禿髪殺し/葵前哀れ/屍実盛/弔千手/六代秘話




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