風よ僕らの前髪を
早朝、犬の散歩に出かけた公園で、元弁護士の伯父が何者かに首を絞められて殺害された。
犯人逮捕の手がかりすら浮かばない中、甥であり探偵事務所勤務の経験を持つ若林悠紀は、養子の志史を疑う伯母の高子から、事件について調べてほしいと懇願される。
悠紀にとって志史は親戚というだけでなく、家庭教師の教え子でもあった。
中学生の頃から他人を決して近づけず、完璧な優等生としてふるまい続けた志史の周辺を調べるうちに、悠紀は愛憎が渦巻く異様な人間関係の深淵を覗くことになる。
圧倒的な筆力で選考委員を感嘆させた第30回鮎川哲也賞優秀賞受賞作。
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