影踏亭の怪談
僕の姉は実話怪談作家だ。
本名にちなんだ「呻木叫子」というふざけた筆名で、専攻していた民俗学でのフィールドワークの経験を生かしたルポルタージュ形式の作品を発表している。
ある日姉の自宅を訪ねた僕は、密室の中で両瞼を己の髪で縫い合わされて昏睡する姉を発見する。
この常識を超えた怪現象は、取材中だった旅館〈K亭〉に出没する霊と関連しているのか? 調査のため〈K亭〉こと影踏亭を訪れた僕は、深夜に発生した奇妙な密室殺人の第一発見者となってしまう──第17回ミステリーズ!新人賞受賞作ほか全4編を収録する、怪談×ミステリの最前線。
更新中です。しばらくお待ちください。