巨きな魚の腹のなか。<br />乗っていた舟ごと魚に呑み込まれたジュゼッペは、そこにあった朽ちかけた船で発見した航海日誌に、自分の来し方を綴っていく。<br />彼が創った、木彫りの人形ピノッキオに命が宿ったこと。<br />学校に行って戻ってこなかったその子の行方を探し、小さな舟で海に漕ぎだしたこと。<br />そして彼の手記はさらに遡り……。<br />絶望的な状況下、ジュゼッペ老人は何を思い、何を綴ったのか。<br />鬼才ケアリーが描く、もうひとつのピノッキオの物語。<br />