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カッコーの歌

「あと七日」意識を取りもどしたとき、耳もとで笑い声と共にそんな言葉が聞こえた。
頭が痛い……。
わたしは……わたしはトリス。
昨日池に落ちて記憶を失ったらしい。
少しずつ思い出す。
母、父、そして妹ペン。
ペンはわたしをきらっている、憎んでいる、そしてわたしが偽者だと言う。
なにかがおかしい。
破りとられた日記帳のページ、異常な食欲、恐ろしい記憶。
そして耳もとでささやく声。
「あと六日」。
わたしに何が起きているの? 大評判となった『嘘の木』の著者が放つサスペンスフルな傑作。
英国幻想文学大賞受賞、カーネギー賞最終候補作。
/解説=深緑野分




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