電車に揺られている私の膝の上には、楽譜が入ったキャンバストート。<br />懐かしい旋律を奏でる彼の指が、私にたくさんのことを教えてくれる。<br />雨の日に出逢った先生のもとへ通うのは、週に一度の金曜日。<br />哀しく甘い、二人だけのレッスン。<br />――繊細かつ美しく奏でられる物語。<br />第5回アルファポリス「恋愛小説大賞」大賞受賞作品、待望の文庫化!