ある日の深夜、獣の肉を売るケダモノ屋に賊が押し入った。<br />また、その直後、薩摩藩士が斬られたり、玄人女が殺されたりと、江戸に事件が相次ぐ。<br />中でも、最初のケダモノ屋の件に、南町奉行所の定廻り同心、黒沼久馬はただならぬものを感じていた……。<br />そこで友人の〈首斬り浅右衛門〉と共に事件解決に乗り出す久馬。<br />すると驚くことに、全ての事件に不思議な繋がりがあって――。<br />表題作「ケダモノ屋」の他、全五編の爽快捕り物小説。<br />