大正十四年、銀座。<br />とあるカフェーで女給の千歳は窃盗事件に巻き込まれる。<br />そこに現れたのは、事件解決のために呼ばれた探偵である兎田谷朔という男。<br />彼の華麗な推理で、事態は収束。<br />大団円かと思いきや――「解決さえすりゃ真実なんかいらないのさ」なんとその推理内容は、兎田谷自身が組み立てたでっち上げの真実だった! 口八丁でどんな事件も丸く収める、異色の探偵兼小説家が『嘘』を武器に不可思議な依頼に挑む。<br />