猿駅
母に呼ばれた無人駅に下り立つと、そこはもう一面の猿。
どこへ行くにも、猿を避けて歩くのは至難の業。
約束の駅前の煙草屋に行くまでにも、数匹の猿を踏んでしまった。
しかし、彼らは怒るでもなく、黙って踏みつけられるがままだった。
煙草屋の脇の自販機でフルーツ牛乳を買って飲んでいると、「猿の餌、飲んだんかっ」と煙草屋の老人に怒鳴られ、何故か追いかけられる羽目に…。
猿を踏みつけることにはもう構ってられない。
足の裏で骨が折れ、内臓がひしゃげても構わず逃げていると…。
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