いつか見た子
小学校3年になる息子が苛められている…。
妻からそれを聞いた秀幸の脳裏に、30年ほど前の苦い記憶が蘇った。
小学校に入り立ての彼を、登下校の途中にある公園でいつも待ち伏せしていた‘あいつ’。
「おい、持ってきたか」。
彼は、いつも同じことを言った。
その度に秀幸は自分の持っている物を差し出すが、どれも彼の意に染まず、「違う! こんなもの持ってくんじゃねえよ!」と逆上して秀幸をいたぶるのだった。
その記憶を前に、息子に対して何もできない自分を歯痒く思うのだが…。
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