薔薇
「船のなかに忘れた薔薇は誰が拾った 船のなかに残ったものは 盲人がひとり 鍛冶屋がひとり 鸚鵡が一羽 船のなかの赤い薔薇を拾ったものは…」その本は、そこで数ページが千切れていた。
雨あがりの神社の境内。
学校帰りにみちくさをしていた9歳のぼくは、1冊の本を拾った。
そこへやって来て「返して」と、手を差し出した千釵子は、父が母親の春枝とともに新しく迎えたぼくの家族だった…。
本の持ち主が千釵子ならば、薔薇を誰が拾ったのかを知っているはず…。
果たして薔薇を拾ったのは?
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