雨の蒸し暑いある日、売れない作家・井之妖彦は、自分の脳が誰かによって揉みほぐされていることに気づく。<br />だから、すぐに感情的になり、ねちねちと細かいことにこだわり、優れた才能を見いだされず不遇のまま過ごしているのだ。<br />すべてそれで納得がゆく。<br />誰だ、誰が私の脳を!? 男の精神が壊れていく過程を、つぶさに、執拗に描ききった奇作。<br />