ある夏の昼下がり、私の妻・瑞枝は息子・高哉の夏休みの宿題である昆虫採集に付き合って、ふたりで林の中に入っていった。<br />だが、瑞枝がふと目を離したすきに高哉は忽然と姿を消した。<br />以来、瑞枝は心を病み、高哉を探し続けている。<br />私は、瑞枝に高哉を諦めさせるため、中学時代の同級生であり、瑞枝の主治医でもある竹下に頼んで、ある計画を実行することを決意していた。<br />そしてその当日…計画はうまくいったかに見えたが…。<br />