幼いころに視力を失った「わたし」に、<風>が、ホテルというものの存在を教えてくれた。<br />「ホテルは、太陽みたいなもの? 星みたいなもの?」。<br />そう訊ねるわたしに<風>は、様々なイメージを与えてくれる。<br />そしてわたしは、かつて目がまだ見えていた頃の記憶を頼りに、私だけのホテルを思い描く…。<br />美しい言葉で綴られた魅惑の幻想小説。<br />(本作は「黄昏ホテル」をテーマとする読み切り連作小説の一篇です)