「お話はまずここらでお仕舞でしょう」と、半七老人はひと息ついた。<br />「これに幾らかの潤色を加えると、まったく面白い小説になりそうですね」と、わたしは云った。<br />――半七捕物帳全編を網羅する最終巻。<br />「歩兵の髪切り」「川越次郎兵衛」「廻り燈籠」「夜叉神堂」「地蔵は踊る」「薄雲の碁盤」「二人女房」「白蝶怪」の8話を収録する。<br />