オーストラリアの田舎町に流れてきたアフリカ難民サリマは、夫に逃げられ、精肉作業場で働きつつ二人の息子を育てている。<br />母語の読み書きすらままならない彼女は、職業訓練学校で英語を学びはじめる。<br />そこには、自分の夢をなかばあきらめ夫について渡豪した日本人女性「ハリネズミ」との出会いが待っていた。<br />第29回太宰治賞受賞作。<br />