江戸市中に組織された町火消を束ねる頭、「を組」の新門辰五郎。<br />気風がよくて、豪胆そのもの。<br />ひょんなことから御三卿一橋家の慶喜、後の十五代将軍徳川慶喜と知り合った。<br />頻繁に出入りするようになった彼は、屈強な子分たちを率い「殿さん」の身辺警護を買って出て、最後まで佐幕派の義理を守り通した。<br />慶喜と市井の侠客新門辰五郎との身分や年齢を超えた交情を軸に、荒れ狂う幕末の人間模様を描く。<br />