いじめを苦に自殺したあいつの遺書には、僕の名前が書かれていた。<br />あいつは僕のことを「親友」と呼んでくれた。<br />でも僕は、クラスのいじめをただ黙って見ていただけだったのだ。<br />あいつはどんな思いで命を絶ったのだろう。<br />そして、のこされた家族は、僕のことをゆるしてくれるだろうか。<br />のこされた人々の魂の彷徨を描く長編小説。<br />吉川英治文学賞受賞作。<br />