小学6年生のさやかの家は、小さな町工場。<br />母親はさやかの幼い頃に出奔したため、父と兄の3人家族だ。<br />母親と入れ替わるようにして工場に現れて以来、父を支えて一緒に働いてきた杉田も、もはや家族の一員といえるかもしれない。<br />さやかは二回りも年の離れた杉田に、ひそかに想いを寄せていた。<br />その気持ちは家族愛に近いものなのかもしれない。<br />しかし、さやか本人にとっては、ひとりの女性としての真剣な恋心なのだった……。<br />