父さんは早くに亡くなった。<br />女手ひとつで自分と弟を育ててくれている母さんに、早く楽をさせてあげたい――。<br />そんな想いを抱く少年が、裸一貫で勝負する道を選ぶ。<br />数百年前から脈々と続く角界のしきたり、師匠や兄弟子たちの温かな人情。<br />純粋無垢な少年の眼を通して相撲の世界を爽やかに描いた青春小説。<br />