りえの下に届いた一葉の写真は、自らの出生の秘密を解く鍵だった――。<br />昭和初期の函館で亡命ロシア人一家に女中奉公に出たさわは、いつしか主人を愛するように。<br />が、生まれたばかりの子を妻に奪われ、一家は戦火を逃れて大連へ。<br />遊女となったさわは愛する男と子供に再会するため海を渡る……。<br />