激流によって分断された町の右岸と左岸。<br />それをつなぐ唯一の異形の橋。<br />かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの複雑怪奇さを示す。<br />そして右岸と左岸にはまったく気質の異なる人々が住む。<br />この寓話的世界の不思議な住民たちの語る9つの物語。<br />諧謔的かつ魔術的なリアリズムで現代の増殖する都市の構造を剔抉した読売文学賞受賞作。<br />