「武藤、別におまえが頑張ったところで、事件が起きる時は起きるし、起きないなら起きない。<br />そうだろ? いつもの仕事と一緒だ。<br />俺たちの頑張りとは無関係に、少年は更生するし、駄目な時は駄目だ」/「でも」/うるせえなあ、と言いたげに陣内さんが顔をしかめた。<br />/「だいたい陣内さん、頑張ってる時ってあるんですか?」/と僕は言ったが電車の走行音が激しくなったせいか、聞こえていないようだった。<br />(本文より)