なんかへんだ。<br />雪が積もりすぎているのである。<br />視界は白く染まり、風に飛ばされそうになりながら、標高2320メートルの小屋に駆けこんだ。<br />――トレッキングをピクニックと取り違え、いつもの旅のつもりでイタリア・アルプスの雪山に挑んでしまった作家が見たものは? 自然への深い感動を呼ぶ傑作紀行。<br />