鼈甲の張形や秘薬などを扱って江戸で知らぬ者なしの四つ目屋は、奥の向きからも御用を給わる老舗。<br />信用を大事に、誇りを持って商いに精を出す店は客を気遣って昼でも暗く、さまざまな思いを抱えた男女が暖簾をくぐる――。<br />『女薫の旅』の著者が新たに放つ、人情味あふれる艶やか時代小説。<br />〈文庫オリジナル〉