なにがあっても、離れない。<br />家族は失った。<br />けれど、隣にはお前がいる。<br />昭和24年、上野。<br />戦争未亡人ばかりを集めたバー・山猫軒で、二人はひっそりと暮らしていた。<br />バーを切り盛りする青柳きわと、住み込みで働く立平だ。<br />生き抜くため、絡み合う蛇のように彼らは時代を駆け抜けた。<br />戦後復興期を舞台に、親のない少年と若き未亡人の名付け得ぬ関係を描いた加藤元の新たなる傑作!