伊達勢大軍による味方討ちで、神保隊三百余名は哀れ全滅する。<br />伊達の権勢に遠慮した家康側は、この事件を闇にほうむろうとした。<br />真相を知り、娘婿神保長三郎の無念を思いやる老女お勝は、ひそかに一計を案じて洛中の街頭に立ったが……。<br />表題作ほか計7編、すべて大坂夏の陣を題材に、豊臣・徳川の交替劇を鮮烈多彩に描いた歴史小説集。<br />