「三年坂で転んでね」――帝大生の兄が怪死する直前に残した言葉を手掛かりに、東京の坂を巡る実之。<br />その東京では、大火の度に放火魔とおぼしき人力俥夫の姿が目撃されていた。<br />’転ぶと3年以内に死ぬ’という禍々しい言い伝えと、近代東京の命運を揺るがす謎に、高嶋鍍金が挑む!