霧の早朝、私と鮭川は声を持たない聡明な赤目姫と三人でボートに乗っていた。<br />目指す屋敷で、チベットで、ナイアガラで。<br />私たちの意識は混線し、視点は時空を行き来し、やがて自分が誰なのかもわからなくなっていく--。<br />これは幻想小説かSFか? 百年シリーズ最終作にして、森ファン熱狂の最高傑作!