「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい──。<br />そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。<br />育子の職場でも、またひとり「産み人」となり、人々の賞賛を浴びていた。<br />素晴らしい行為をたたえながらも、どこか複雑な思いを抱く育子。<br />それは、彼女が抱える、人には言えないある秘密のせいなのかもしれない……。<br />