一九七五年――昭和五十年。<br />広島カープの帽子が紺から赤に変わり、原爆投下から三十年が経った年、一人の少年が東京から引っ越してきた。<br />やんちゃな野球少年・ヤス、新聞記者志望のユキオ、そして頼りない父親に連れられてきた東京の少年・マナブ。<br />カープは開幕十試合を終えて四勝六敗。<br />まだ誰も奇跡のはじまりに気づいていない頃、子供たちの物語は幕を開ける。<br />