長和2年(1013年)秋。<br />敦康(あつやす)親王の許婚者(いいなずけ)、琴姫は香久夜が女房として出仕した直後、突然の高熱で病に伏せる。<br />宮は香久夜の仕業ではないかと疑い、義明は高熱の原因が龍と知り、宮の式神の水曜星ではないかと疑う。<br />互いに本心を言えず気まずい宮と義明。<br />だが、病の原因は宝珠(たま)に棲む火龍だった。<br />封じるには、生命が必要という。<br />義明は宮を助け、自らの生命(いのち)を捧げた。<br />そして……!?