文壇妖怪随一の才子で美男。<br />本物の芥川を理想化したかのように、頭も顔もスタイルもオリジナルより上。<br />彼が襲うのは小市民タイプで、芥川の夭折した年齢よりも年上の文士である。<br />「どっぺるげんげるを見たら死ぬ」という俗説に付け込んで最初は本人そっくりの姿で夢に現れ、次第に美男から自殺前の芥川へと風貌を変える。<br />……が、実は純文学を守る妖怪でもある。<br />──(本文より)