「今があながち太平の世でも無い。<br />それでも女房には化粧をさせたり、親父殿も晩酌の一杯ぐらいは楽んでいられて、ソーレ敵軍が押寄せて来たぞ、酷い目にあわぬ中に早く逃げろ、なぞということは無いが、永禄、元亀、天正の頃は、とても今の者が想像出来るような生優しい世では無かった――」脱線、蘊蓄、戯言あり。<br />知の巨人が興の向くまま、平易な語り口で史料を読みとく「戦国放談」。<br />後の司馬遼太郎へと連なる傑作評伝。<br />