子ども時代の記憶を確かめようと訪れた、母の実家の町。<br />土地の描写のなかに、「あなた」と呼ぶ女性とのやりとりが綴られる。<br />(「地鳴き、小鳥みたいな」)夏。<br />K先生の訃報。<br />若い友人の死。<br />20代で出会ったある先生との忘れがたい対話。<br />枯れて見えたその先生から聞かされた性欲をめぐる話が意外で、20代の私はただ驚いた(「夏、訃報、純愛」)。<br />他に2篇を収録。<br />