明治三陸地震で2万人を超える犠牲者が出た19世紀末。<br />三陸の仙河海港で沖買船の商売をしていた菅原甚兵衛は、富裕な魚問屋マルカネの社長と女郎屋の女将の子で、正妻の子である兄とはそりが合わず、鬱屈を粗暴な振る舞いに込めて暮らしていた。<br />海上の事故で船を失った甚兵衛は、大きな借金を抱えつつ、北洋でのラッコ・オットセイ猟に賭けて出る。<br />著者ライフワーク「仙河海サーガ」の出発点にして最新作!