長い沈潜の後、自らの抒情を封じ、野性の愛を描いて見事に第2の昴揚期を開いた「あにいもうと」(文芸懇話会賞)。<br />深い愛で妻の発病と命の揺らぎを見つめた「死のいざない」。<br />親しい詩人達の友誼と理非を超えたその死を語る「信濃」「詩人の別れ」ほか、「つくしこいしの歌」「庭」「虫寺抄」等。<br />逞しい作家魂とひたむきに追う犀星の美意識が展開する多彩な中期作品群より8篇を収録。<br />