荒ぶる魂、生まれながらにして、生と死を抱え持つ佐太。<br />この存在を無気味な背景に展開される’変革’の劇。<br />精神の逼塞の根に仕掛けられた爆薬のような強烈な’発条’。<br />初期世界からの独自な精神の運動を持続し続けた、石川淳の『白頭吟』から『狂風記』の間を繁ぐ白眉の長篇。<br />