世間が顔をしかめる女たちが、安吾の前に頻出する。<br />安吾はそれを’自然’だとし、その文学の中に析出する。<br />安吾が析出した女たちは、40年の時空を超え、今、更に光を放ち、生き出し、動き出す。<br />安吾が’予言者’であることを証明するかのように。<br />敬愛する牧野信一の人と文学を語る秀作「オモチャ箱」、坂口安吾晩年の力作「狂人遺書」ほか8篇を収録。<br />