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午後の蜜箱

しんと静まった闇の中に、五十数年生きている真琴とほんの少しだけ若い私がいて、しかし私たちは少しも自分のことがわからないのだ。
男と出会って一緒に暮らしたりささいなことで別れたり、やっぱり一人がいいと言ってみたり、一方ではどこか別の場所で生きることを夢みたり。
そのわからない自分の姿を、もし見られるものなら見たいという真琴の願いが私にもすんなりとわかるのだ。
――(本文より)




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