1925年、中国・上海で起きた反日民族運動を背景に、そこに住み、浮遊し彷徨する1人の日本人の苦悩を描く。<br />死を想う日々、ダンスホールの踊子や湯女との接触。<br />中国共産党の女性闘士芳秋蘭との劇的な邂逅と別れ。<br />視覚・心理両面から作中人物を追う斬新な文体により不穏な戦争前夜の国際都市上海の深い息づかいを伝える。<br />昭和初期新感覚派文学を代表する、先駆的都会小説。<br />