被爆地長崎。<br />敗戦後3年目の夏、華僑の女柳慶子と画家麻田晋は出遭った。<br />原爆病に脅かされる2人はいたわり合い、自らの生を確かめるように愛し合い、10数年の苦痛の果てに死んで行った。<br />著者の故郷長崎の、酷く理不尽な痛みを深い怒りと哀惜をこめて強靱に描く。<br />原爆を告発した不朽の名作。<br />野間文芸賞受賞。<br />