原敬により、院外団から、代議士、党幹部に引立てられ、拓殖会社の理事として辷り込む父・尾花晋作。<br />3年前病死した正妻のあとになおった27歳の三輪子。<br />洋行志望する前妻の子、主人公20歳の学生・尾花晋一。<br />俗物・まがいもの行き交う、愛あり恋あり不倫あり、裏切り、謀略なんでもありの巷のなかで、昂然として、高貴なるものの光芒一閃。<br />石川淳を代表する傑作。<br />