生と死の臨界に迫る傑作伝奇ミステリー。<br />旧盆の十三夜、出羽三山の霊峰月山(がっさん)の頂から麓に連なる迎え火。<br />即身仏(ミイラ)取材で帰省した工藤の友人正志は、古来の採燈祭(さいとうさい)復活に奔走していた。<br />だが工藤の父親に続き、正志も闇の中で襲撃される。<br />もう1人の同級生由香は工藤に、鬼から村を守ってきた一族だと明かし、「祭を止めて。<br />ソ乱鬼(そらんき)が降りてくる」と告げた。<br />(講談社文庫)