作家自身を思わせる主人公の長江古義人は、3.11後の動揺が続くなか「晩年様式集(イン・レイト・スタイル)」と題する文章を書きだす。<br />妻、娘、妹の「三人の女たち」からの反論。<br />未曾有の社会的危機と自らの老いへの苦悩。<br />少なくなる時間のなかで次世代に送る謎めいた詩。<br />震災後の厳しい現実から希望を見出す、著者最新にして「最後の小説」。<br />