離婚を繰り返し、生活に困窮して生活保護と年金で生きる老人の日常の壮絶。<br />高齢化社会を迎えた今、貧困のなかで私小説作家は、いかに生きるべきか……。<br />下流老人の世界を赤裸々に描きつつも、不思議に悲愴感はない。<br />自分勝手なダンディズムを貫き哀感とユーモアを滲ませる、二十一世紀の老人文学。<br />